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■CTってどういうことができるの?被曝に関して安全なの?
2010年の8月に、当院は、歯科用CTを導入しました。
患者様から、『CTって言葉は耳にするけれども、どういうもの?歯科ではどのように応用できるの?』という質問をお受けすることがよくありますので、ここに説明します。
大まかにお話すると…、
歯科医院では、お口の中全体を把握するために、通常、パノラマというレントゲンを撮影します。
しかし、パノラマでは、情報量が多く、色んなものが写りこんでしまい、病気を見落としてしまう可能性があります。
その前後の不必要なものを排除し、診断したい個所のみをみることができるのが、CTなのです。
写真を見ながら説明していきます。
これは、とある患者様のパノラマのレントゲン写真です。
赤い矢印をみてください。
“歯根のう胞(しこんのうほう)”といって、根の先の骨が溶けてしまう病気があるのですが、どうやらそれが疑われます。
残念ながらパノラマでは、ボヤッとしかわかりません。
そこでCTを撮影していました。
どうですか?
一目瞭然ですね。
そう、これがCTの得意なところなんです。
では、CTってどういうものか、順を追って、ご紹介いたします。
これが、CT撮影ができるレントゲン装置です。
お馴染みの歯医者にあるレントゲンですね。
CTと言えば、チームバチスタアリアドネの弾丸(ちょっと古いかな…)などの医療ドラマでお馴染みのタイプ、つまり、患者がガウンを着て仰向けに寝て、狭いところにつっこまれる、みたいな仰々しいイメージがあると思います。
歯科用のCTは元々コンパクトだったのですが、最近は更にコンパクトになり、普通のパノラマレントゲンと同じサイズになりました。
患者様の体勢も撮影にかかる時間も、パノラマと同じ感覚だと思ってください。
まず、パノラマを撮影し、細かく見たい部分をピックアップします。
この場合は、前歯ですね。
撮りたてほやほやのCTの画像がこれです。
上下左右、4つの枠に写真あります。
そして、それぞれの枠の左下に、人の顔があります。
その顔の方向で、カットしたらみられるレントゲン像が示されているわけです。
そして、右上をみてください。
皆様が想像するところの、頭蓋骨、いわゆる『ガイコツ』の口の当たりの写真ですね。
CTの画像は、パソコンの画面上にでるもので、これをマウス一つで色んな方向に動かすことができます。
右方向にむけたり
左方向に向けたり
上に向けたり
下に向けたり
色んな方向に向けたり…。
とちょっと遊んでみましたが、あらゆる角度から覗き込むことができます。
そして、マウスを触りながら、一番見たい断面を見られる角度にあわせます。
そして、見たい断面を細かく探っていきます。
この患者様の“歯根のう胞”という病気が一番よく見える角度、断面がこれです。
それぞれの枠の左下にある立体の人の顔の方向からの断面が、映っているわけです。
この四枚の画像を見てください。
根っこの先の丸い空洞が、どういう位置にあるかが一目瞭然にわかるかと思います。
“歯根のう胞”は、炎症が、歯の中にある管状の空洞から骨の中に伝わりできるといわれています。
右下、左下のCT写真をみたら、歯の空洞から骨の中の空洞につながっている様子が非常によくわかると思います。
CTでは、『上から』『前から』『横から』の3方向からの断面図が見えます。
このレントゲンがあると、今まで以上に患者様の状態が手に取るようにわかるので、処置の一つ一つが安心して行えます。
今は根の先におこる、“歯根のう胞”という病気で説明しましたが、それはあくまでも一例であり、インプラントのオペを行う場合や、歯周病の骨の無くなり具合を把握する時など、多くの病気の診断に使えます。
この機械の導入により、より正しい診断、より確実な処置をお届けできると思います。
そして、こんなに便利な歯科用のCTですが、やはり気になるのはレントゲンの被曝線量です。
一回のCTの撮影における被曝は、約0.06mSvです。
これは、フィルムのパノラマレントゲンのだいたい二枚くらいです。
では、具体的にどのくらいの被曝か、検証していきましょう。
自然被曝(人間が普段生活するだけで必ず受ける被曝)の線量から考えてみます。
日本では、年間平均1.5mSv、世界で2.4mSvです(つまり、日本は世界の平均より0.9少ないことになります)。
一回のCT撮影による被曝の量は、0.9÷1.5で、日本の年間の自然被曝の25分の1でしかありません。
また、日本は世界より0.9mSv少ないわけでして、0.9を0.06で割ると、15。
つまり、『一年間に15回CTを撮影してやっと、“世界の平均”になる』ということが言えるでしょう。
これにより、CTがいかに安全なものがご理解いただけると思います。
被爆の量のお話は、レントゲン撮影の安全性について 胎児への影響 にて書いておりますのでそちらを参照してください。
追伸
レントゲン撮影の安全性について 胎児への影響 は、2010年にこのHPをオープンする時に書いた文章です。
その時はmSv(ミリシーベルト)という単位になじみの方が少なかったですが、今は、知らない方の方が少ないと思います。
それだけ皆様が放射線やレントゲンを意識されているんだなと感じます。
ご理解を頂いてから撮影をするようにしておりますので、なにがご不信な点があれば、その都度伺ってください。


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